パリのフレンチで働いて学んだこと|フランス留学中の貴重な就労体験談

外国語系

パリのフレンチでサーバーとして働いていました。Takaです。

 「そういえば、交換留学中にパリのフレンチで働いていたなあ」、その時の経験が今の自分に繋がっていると感じることがよくある。その時の経験は、大きな転機だったと今になると思う。そういうわけで、その当時の学びをまとめてみたい。

概要

時期:学校の夏休み期間中

場所:パリ9区

レストラン:隠れ家のようなガストロノミックレストラン

職種:サーバー

1:生きた外国語による「文脈」と「言葉の省略と厳格さ」の大切さ

 そもそも私は外国語と外国文化を学びにフランス交換留学していた。今までは定番の4技能を自学で学習することが多かった。ただ、この経験をもとに、「生きた言葉」こそが外国語と外国文化の理解を向上させてくれるのだと肌で学んだ。

 第一に、「文脈・背景知識」がキーポイントになる。外国語は外国文化の象徴だ。例えば、フレンチには、レストランガストロノミック。レストランノルマル、レストランブラッスリーと三種類あるが、日本語ではその概念を単語で表せない。同様に、いただきます、という日本語の概念はフランス語の単語で表せない。こういう文化の違いが日常にあふれかえり、共通の文化を知ることが、会話の土台になることが多いのだと感じた。「生きた言葉」にはそういう文化が含まれるので、文脈を理解すればするほど外国語の理解力が向上していったと感じたのだ。特に、歴史、政治、経済などは「共通の文化」になりやすく、会話が弾む。フランスは政治話は積極的に話すので、なおさらだ。

 第二に、「言葉の省略」と「厳格さ」を学べるのだ。実際の外国語は速いということは、誰もが聞いたことはあるだろう。それは間違いない。ただ、言葉の省略の方が問題だと感じている。フランス語や英語は特に、シラブル(音節)という概念が強く、音の省略が多いのだと感じた。例えば、 Je suis au café de la ville.という時、実際は、ch’ui au café d’la ville.と省略される。この短文でさえ、二音省略されるのだ。こういったことは、肌で学ばないと分からないが、働くことでふんだんに体が覚える。また、言葉の厳格さも学ぶ。今でも覚えているのが「ムール貝:Moule 」という単語だ。日本語にはない口の形をしなければ、通じないという現実を思い知ることにもなる。口をすぼめることでやっと通じるのだ。そこで、[ou]と[eu]、[in][ain][un]と[an][en]と[on]の音の違いが分かるようになってきたのだ。

 生きた外国語はこういった「文脈」と「言葉の省略と厳格さ」を学ばせてくれた。この方法で、他の外国語も身にできると感じている。

2:食文化を通した異文化理解の先「同化」

 先述のように文化を知ることは間接的だが、かなり大事だ。特に、フランス人は日本人のように食事にプライドを持っているので、共通の文化としては最適だ。フランス料理はMenu/Formuleといういわゆるコースが基本だ。もちろん、A la carte という単品もあるが、コースの方がフランス料理の典型だ。確か、ユネスコにも登録されていた。コースには、Amuse bouche, Canape, Entree, Soupe, Poisson(Plat), Viande(Plat), Fromage, Avant dessert Dessert, Mignardisesという構成が基本だ。

 私の考えでは、肌で学ぶからこその外国文化は特に重要だと考える。フォアグラは前菜に含まれるとか、前菜や魚は白ワイン、メインの肉は赤ワインとか、そういう「普通」が分かってくるようになる。その当たり前が「点ではなく線として」身についてくる感覚だ。そういった断片的ではなく総合的な文化の理解がいわゆる「同化」なのではないかと感じた瞬間であった。逆に、日本に帰国したときには、輸入された文化が違和感として感じてしまうという悩みの種にもなるのだが、異文化理解の先の「同化」ということを軽く肌で感じることができたと自負している。もちろんその感覚は浅いので、これから追及していくことも視野に入れている。

3:人とのつながり

 人とのつながりもまた、大切なことだったと考えている。なぜなら、ガストロノミックレストランで働けたのも、パリに住居を借りられたのも、人に紹介してもらったり、助けていただいたためだ。ただ、そういう関係だけでなく、長期的な関係の方に出会えたことが大きいと思う。一人はお客さんとして、いらっしゃった方だ。彼女はパリジェンヌとして生活している日本人マダムで、優しい人柄の方だ。後に、私が帰宅困難になった際に助けてくださった、まさに「命の恩人」だ。いつも恩を頂いてばかりで頭が上がらない程だ。それだけでなく、彼女は行動力があり、会話力も達者だ。でもどこか謙虚である。そんな人柄の方に出会えたことが本当に財産になった。

あとがき

 このようなパリのガストロの経験は、外国語修得の極意と異文化理解の先、そして、人生のロールモデルとなる方に出会えたことが、本当に良い経験だったと思っている。正反対の性質のキャリアであるSEとして働いている今も、あの経験があったからこそ、外国語と外国文化修得の再現性に自信を持っているのだ。いずれ将来に、海外キャリアを視野に入れたときに、絶対に役に立つことを信じている。

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